2022.4.8【小説的思考塾vol.7メモ】その10 精神の活動

ヘルダーリンの詩の一語一語を説明するとき、その語は象徴ではない。象徴だと、語と意味の広がりの関係は辞書になってしまう(つまり止まっている)。つまらない批評は辞書の関係で満足するから、読者も辞書の関係でいいと思ってしまう。

ハイデガーの語の説明は象徴のように固定していなくて、もっとずっと広くて深い。👉これは、存在をイデアと現実の関係とは考えない存在論と共通の世界観だ。

語はそのつど、背景にある意味やイメージや歴史を喚び集める。実際、詩や小説を書いている人は、そのような運動の中で書いている。
文学は語においてそうだが、他のすべての創作で、作者の精神+五感はそういう活動をしている。それを言葉にできる批評家がいないのだ。