坂口恭平『土になる』面白い
言葉が一番素朴なところから出てきてる。
土を触っていると、人に向けても自分に向けても、しゃべりたいことが次から次から湧き出てくるーーそれがこうして本になったという本。
ところが坂口さんはインタビューでこう言う。
今回の『土になる』も文章上の作為はふんだんに満ちているはずなんですけど、直感で書かれているようにしか見えないと自分でも思い込むくらいの状態にまで持っていくことができた。
保坂和志さんの書き方なんかもそうですよね。根っからまっすぐに書いているように見えて、実はそうではない。
この辺りのことは次回の【小説的思考塾】で説明が必要だ。最近私が好きなBSの「明鏡止水」という古武術の動きを取り上げる番組も同じなんだが、普通の動きは自然じゃない。自然に動くには訓練が要る。考えるのと書くのが別々なのを一致させるにはどうするか?