2021/9/1 【小説的思考塾メモ】このあいだの質問

このあいだのzoomでやった小説的思考塾簡略版で、あった質問。

「植物が書いてあるのを読むのが好きで自分も書きたいんだけど、今まで植物と全く関わりを持たずに生きてきたので、自分には全然書けない。何しろ名前が全然わからない。」

この質問は小説そのもので、世界との密接な関わりが結べないというところから小説が生まれる。

戦争に行ったら英雄になれると思っていたら自分はそこで死んでゆく……という場面が『戦争と平和』にある。ドン・キホーテは勇敢な騎士のつもりでいるが実態は全然違う。

ところが、そうは言っても、全然まったく知らない状態では書けないわけだし、「それを書きたい」と思うなら、諦めずに調べつづけることも必要、というか、書きたいなら調べつづけるべきだ。(あのときこう言わなかったが、あれからずっと考えてて、これは言わなくてはと思って。)

調べてもどうしても名前がわからなければ、見た目を書くしかないし、いろいろ調べてようやくわかった花の名前は読む人も知らない。しかし誰も知らないような名前でも今はネットで一発で調べがつくから名前だけを書いても意味不明にはならない。同じように今は画像からも検索できる。「野の草花の名前を調べるアプリ」もいっぱいある。(その知識が読む人と共有されるか?は、また別の問題)どこに手間や時間や労力を注ぎ込むか?は人それぞれだけど、(調べるのでなく、ただじっと考えることも含めて)(唖然とするような見切り発車も含めて)どこかで人と違うことをしなければ小説は書けない。