8/26【小説的思考塾メモ】「小説を書いたので読んでもらえますか?」

このあいだ「小説を書いたので読んでもらえますか?」と若い知り合いが連絡してきたから、「いいよ」と返事したら、さっそく送ってきたのが、5枚(2000字)くらい。 「全部書いてから送れよ」 「これで全部です」

〈何十枚以上ないと小説ではない〉という発想の縛りがないのは良しとして、小説はその長さ自体に意味(機能?)がある。 ひと晩で書けるのはせいぜい20枚?30枚? 50枚となると、ひと晩で書くのは無理だ。100枚となると、50枚の2倍以上の時間と辛抱が必要になる。

「孤独の中にある個人こそ、小説の生まれる産屋(うぶや)なのだ」(ベンヤミン) 小説はインスピレーションだけで書くものではない。 でも、もし「どうしても5枚以上の話が書けない」のなら、そういうものをまず20個以上書いてみること。

ただし、短いものでも、書きかけのものでも、読んでくれる友達がいるなら、遠慮なく読んでもらう。最初のうちは、そういう励ましも必要。私も昔は短いものを書いては、友達に読ませていました。