ただ、『文学ノート』は実作者として非常に重要なのに、注(10)の1981年時点で(それ以後も)この本が重視されていなかったのは、創作行為全般に対する人々の関心が、完成品ばかりに向いていて、その過程を着目する人がいなかったからだろう。
『文学ノート』は重要なので、異論も含めて私(保坂)が解説&補足したいと思います。
これはうろ憶えなんだが、戦争で若者が「潔く散った」原因の一つに短歌の美学があると。
私が高校時代にすでにそれを考えて(知って)いたのは、大江健三郎がそういうことを書いていて、私はそれに深く共感したのではないか。
私がだらだら書く(生きる)ことを志向した要因の一つ。