【小説的思考塾メモ】その10

小説はお手本を目指して仕上げるようなものでは全然ない(これは何度も言ってるが、わかってる人は少ない)。 小説家が1人いれば1つジャンルがある、と考えてほしい。 それぞれが唯一無二なのだ。(メモ9の特徴に着目のこと)

小説は自由の行使である、ということは、個性の発現、個性の勝負、でもある。 その「個性」というのが問題で、個性は、〈先天的要因+後天的要因〉であり、〈意識しない天然の部分+意識的に作った部分〉であり、〈努力しても変えようがないキャラ+努力で変えられるキャラ〉。

対立する2つが、入れ子状に絡み合っているのが個性で、ただの〈生まれつき〉ではない。個性は自分で自分の個性に気づいた時から、本当の個性が始まる=個性が成長する。 小説を書くことは、個性を注ぎ込むことだとも言える。借り物の題材に個性は注ぎ込めない。

【補足】
目新しい題材を次々追う人がいるが、5年10年20年……と、考えつづけられる関心を持つことこそが個性だ。 その人固有の関心を10年20年持続させる方法が小説である。小説があるおかげで、関心にそのつど活力が注がれ続けて、思考が更新され続ける。

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