【小説的思考塾メモ】その8

国語の授業では「どうしてでしょう?」という設問が多いそうで、テレビの取材でも同様の原因追求(というか、知りたがり)ばかりだけど、本人が説明できる理由や心理的な理由の説明は無意味。

それに小説として心理的な理由の説明は浅すぎる。 人が何かをしたり、その性格であったりするのは、単純な〈原因→結果〉の図式で収まるわけがない。 心理だけでなく、気象条件やその日の食事や部屋のレイアウトや家族の神話や、何でも原因になりうる。

「でも結局、それも全部、心理でしょ?」 そんなことはないし、その心理とこの心理は、心理に至る原因や事の経路が違う。 小説というのは、事態を単純化せず、事態が、線でなく面で進展するほど面白い。 というか、そういう思考をするために小説は読まれてきた。

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