松波太郎『カルチャーセンター』の帯を書きました。

松波太郎『カルチャーセンター』の帯を書きました。
私はカルチャーセンターの講座企画の仕事をしてましたが、小説実作講座はほとんど担当しなかったのです。

理由は〈小説的思考塾〉を実作と切り離しているのと同じで、4月19日の共同体(共同性)についての投稿で言っているように、芸術や創作の共同体は、夢想された共同体で、それは1人1人が書く(創る)をする孤独な時間があるからこそ繋がるのだと思ってきたからです。

が、この『カルチャーセンター』で、
「これもある種の共同体で、こういうのもあるなあ。
カルチャーセンターは、集まる受講生たちが年齢も仕事もバラバラで、その人たちが普段の生活では口にしない本当の夢を語れる、ほとんど唯一の場だったんなあ」

と、自分の認識を更新したり、いろいろ考えました。
ところで、松波さんは講談社刊『LIFE』で講談社主催の野間文芸新人賞を受賞したんだけど、Amazonの『LIFE』にはそのことが何も書いてない。今さら言っても遅いが、これはひどい。

松波さんは小説家を半ば廃業なのか、休業なのか、ともかくコンスタントに書き続けるのが難しい状態にいるようだけど、この人の小説は変わってて面白い。
「いかにも」な面白さでなく、工夫があって可笑しみがあって、松波さんが書くことを中心においた生活ができないのは変だ。

講談社も思い切って〈歴代野間文芸新人賞全集〉を低予算の簡単な造本でいいから出したらどうだろう。今は、いいことではないが、〈賞〉を単純に偉いと思う権威主義的傾向があり、全集にして話題にすればそこそこ注目されるんじゃないだろうか?