【小説的思考塾的メモ】 高桑和巳『哲学で抵抗する』(集英社新書)

しかし、抵抗は、無駄か無駄でないかで評価すべきではない。人は単に抵抗する。(p.69)

この本、いいです。
人が考えることの根っこにあるものを教えられた思いがします。

抵抗は結果や効果を予め計算してするものでなく、人はやむにやまれず抵抗する。高桑さんは、やむにやまれずデモに行くと書いている。

哲学とは、言葉や概念を厳密に定義することでなく、生きる意欲の根っこに働きかけることだ。概念と行動は不可分なのだ。

時間それ自体に、問題を解決する機能はないという指摘には目が開かれる。時間は計量の単位でなく、行動の単位だ。

3月2日夜、NHKのキャスターが「この戦いはいつまで続くとお考えですか?」と訊いたら、ウクライナ大使は答えた。
「我々が勝利するまでです」