2021/10/27 【小説的思考塾メモ】死について

「葬式に花を飾るのは死体から出る臭いを消すためだ」
「葬式で喪主や家族が忙しく動かないとならないのは、そうしていれば悲しみが紛れるからだ」
という、世馴れたような言い方はおかしい。

死には花があると落ち着くのだ。花は死を慰める。
家族は忙しく動かないで静かに悲しんでいるべきだ。
その人が生きてきた歳月を思えば葬式はパブリックだが、死はとてもパーソナルな出来事なのだから、どれだけ人が集まってもそこはパーソナルな場になる。

死は最も静かな状態なんだと思う。
「無」なのではない。かぎりなく静かなのだ。