群像10月号『鉄の胡蝶』62回「切って残された絵の捨てられた絵」
私がどういう人間かというイメージもみんななかった、ひとりの編集者が、「茶々丸さん、カフカなんて読むんですか、」これは似合わないというよりも、カフカを読む作家なんて珍しいですねという感じに私には聞こえた、それからどれくらい経ったか、私はデビュー12,3年でその頃デビュー4,5年の若い小説家が酔っ払った帰り道に私とニ人だけになったときに、「カフカなんて読んでないでもっと日本文学を読むように言われたんですけど、おかしいですよね、こんなこと言えるの、茶々丸さんだけだと思うから言うんですけど」
私は基本的に日本文学嫌いだ、誰が嫌いといちいち挙げるのはバカらしいが、カフカなんて読んでないでもっと日本の小説を読めという雰囲気がなんとなく蔓延していたそれが何より嫌いだった。
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