小説的思考塾vol.9 内容説明

小説というのを、賞に応募して受賞して褒められて嬉しい、それを実現するためのもの、と考えるのは入試の発想で、それでは小説は用意された容れ物に、あらかじめ想定された答えを埋めてゆくだけの、受け身の表現形式になってしまう。
小説を「何でも書ける」「何を書いてもいい」と本当に考えている人は稀で、みんな、束縛の中で、小説のスタイルを限定して考えていて、誰か(何者か)からの承認を求めて書いている。だから小説を書くことが能動的な自由の行使になっていない。
小説は、自分がこれからずうっと何かを問いつづけてゆくために、問いを安易に答えに着地させない、答えが次の問いとなるようにする、表現の形式で、そうすることで自分自身の生の意味づけが変わるのです。

小説は他の表現形式と何が同じで何が違うのか?

小説は自分ひとりで作られるわけではなく、芝居や音楽のように仲間・共同作業者を必要としてもいて、それが小説を受け身でなく、能動性の発露とさせると私は考えています。
小説を好きな人は文字の力を素朴に信じている人が多いが、書かれた文字だけでは伝わらないことがたくさんある。
それでも小説は文字だけでは伝わらないことを伝えることができる。それは小説に書かれる文字は声の機能に近いからです。

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