【小説的思考塾vol.9メモ】その3

「小説とは何か」に対する〈答〉は、「小説とは何か(どういうものなのか)」を考えるヒントや道筋を示すこと。だから〈答〉でなく〈返答〉だ。

小説は最初から今ある小説の形をしていたわけではない。小説と呼ばれる形式がある程度固まるまでには、沢山の岐路があり、小説らしきものにならなかった文章群もあるだろう。
系統発生と個体発生のように、一つの小説の中に選ばれなかった岐路を想像させる何かがあったら、すごいだろうな。

「いい小説」があってそれを目指すのではない。「理想の小説」というのもない。そういうのは子供じみた幻想だ。世界には単数形の「正しいものがある」という、普遍的と言っていい錯覚の一種だ。
一つだけの「正しいもの」なんかない。いくつにも分岐する。小説(芸術)はその実践だ。

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