池松舞さんが言ってくれた『読書実録』の「スラム篇」について、ろくに話しませんでした。池松さん、皆さん、すいませんm(_ _)m 池松さんがあそこで確認したかったのは、「当事者は言葉を持たない」ということだったと思います。
アーティストでもアスリートでも、何かをしている最中に得られる手応えや実感は、言葉で言えない。 周りの人は「言葉にしろ」と言うが、言葉は手応えを正確に語ることはできない。困ったことに、自分が自分に向かって「言葉にできないのはおかしい」と思っていたりする。
「スラム篇」は、当事者には言葉がないことと当事者である幸福を、ひたすら強調した。
作る人は、言葉を持つよりも手応えに忠実になることがいちばん。思えば京都トークでも、自由とは言葉にできない領域のことだと言ったのです。