2023.5.13 群像6月号『鉄の胡蝶』58回目 その2

「小説は、それを読む人間に、当の小説が作られてくる過程を経験させる。小説を読み終った時、かれの手にあるのは、いわば残りカスであって、そこにいたるまでかれの経験したことそのものが小説である。

すでに読み終ったかれにとって小説は終っている。そこにいたる言葉の生きた経験にのみ、すべての意義があったのだ。」 これは私が言ってるみたいだけど、大江健三郎の言葉。つまり私は(私もまた)大江健三郎の強い影響下にあった、ということをここで発見した。