『脱獄計画(仮)』_2

【脱獄計画(仮)】
確定申告の計算がようやく終わった💦
遅くなったけど、メモだけ残しておきます。

1】話の構造としては、〈メタ〉というか、階層状になっていて複雑なんだが、目の前の芝居としては、私の印象はフラットだった。私はかなり単純に役者の演技を楽しんだ。

2】戯曲の複雑な構造は、見ている最中に忘れることはできるんだが、目の前の役者たちに、奇妙な、大きな負荷がかかっている感じはひしひしと、間断なく伝わってくる。
世界を現実に生きるということを考えてみると、生きることは結末を知らないことだから、人は世界や人生のメタレベル・階層構造を知りえないまま生きる。それは知ることはできないが、しかし負荷として予感されうるのではないか。ーそんなことを考えた。
「エレベーターから現れる」とか「階段を降りていく」とか、戯曲を読んだときは、どういう演出になるのか、わからなかったが、実際の芝居を見たら、そのままだった。
「上からものを言わないでくれ」という台詞も、実際の芝居では慣用表現の比喩でなく、そのとおりの演出だった(笑)

芝居の複雑な階層構造と、比喩と思いきや、そのままだったという、抽象と即物の混ぜ合わせも、戯曲の求めてくる必然なのかもしれない。 役者たちの状態を「狂気」と解釈したり、その狂気を「何故」と問う人がいたとしたら、答えはすべて、 「芝居(あるいは原案小説)がそれを求めている」だ。